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書いた人Lスタンプ運営事務局

Lスタンプを運営する株式会社Becalm の運営チームです。デジタルスタンプラリーを初めて企画する担当者は、紙の台紙と何が変わるのかを、企画書を書く前に知っておく必要があります。デジタルスタンプラリーは、台紙とはんこをスマホの画面に置き換え、スポットに貼った QR コードか位置情報でスタンプを押す仕組みです。紙との違いは印刷・集計・不正・データ・費用の 5 つに出て、参加者がスマホを持っていることが前提になります。この記事では、仕組み、紙との比較、弱いところ、向くイベントの順に説明します。
デジタルスタンプラリーの仕組み
デジタルスタンプラリーでは、参加者がスポットをめぐり、QR コードを読むか位置情報でその場にいることを確かめてスタンプを押します。集めたスタンプは参加者のスマホに残り、そろうと抽選やクーポンなどの特典を同じ画面で受け取ります。主催者は、誰がいつどのスポットで押したかを管理画面で見ます。
めぐる楽しさは紙と変わりません。変わるのは、台紙を配って回収して数える仕事がなくなることと、押した記録が参加者ごとに残ることの 2 つです。以下で説明する紙との違いは、ほとんどがこの 2 つから生まれます。
- ポスターの QR を読む
- スポットをめぐる
- QR コードを読む
- 位置情報で押す
- スタンプが押される
- 抽選・クーポン・景品を受け取る
図 1 参加者がスタンプを集めて特典を受け取るまでの流れ
Lスタンプでは、参加者は LINE でポスターの QR を読んで参加し、スポットごとに QR か位置情報のどちらで押すかを主催者が決めます。記事中の Lスタンプの仕様と料金は、2026年10月時点のものです。
紙のスタンプラリーとの違い
紙とデジタルの差は、印刷・集計・不正・データ・費用の 5 つに大きく出ます。紙のスタンプラリーでは台紙を回収して数えるまで人数が分からず、デジタルでは参加の記録がその場で管理画面に残ります。代わりに、デジタルではスマホを持たない人が参加できません。
項目 | 紙のスタンプラリー | デジタルスタンプラリー |
|---|---|---|
印刷と配布 | 台紙・はんこ・応募はがきを印刷し、スポットごとに配る | ポスターとスポットの QR を印刷する。台紙は参加者のスマホの中 |
集計 | 回収した台紙と応募はがきを数える。終わるまで人数が分からない | 参加者数とスポットごとの取得数が管理画面に出る |
不正への備え | はんこの複製や台紙の写し替えを、その場で見分けにくい | QR の出し直しや位置情報の確認で、疑わしい取得を記録できる |
残るデータ | 台紙の枚数と、応募はがきの記入内容 | 誰がいつどのスポットを押したか。どの順でめぐったか |
費用 | 印刷・配送・はんこの管理と、集計の人手 | サービスの利用料と、ポスター・QR の印刷。集計の人手は減る |
参加者に要るもの | 台紙とペン | スマホ。LINE で開く方式なら LINE のアカウント |
図 2 紙のスタンプラリーとデジタルスタンプラリーの比較
紙を残す理由もあります。スマホを持たない人も参加でき、はんこを押す手触りが子ども向けの企画に合います。参加者に年配の方や子どもが多いと分かっているなら、紙の台紙を並行して配る前提で企画します。
集計の差は、終わったあとに効きます。紙では応募はがきを数えてから報告書を書き、デジタルでは期間の途中から参加者数やスポットごとの取得数を見られます。伸びないスポットの告知を足すといった手を、期間の途中で打てます。
QR コードと位置情報、2 つの押し方
スタンプを押す方法は、スポットに貼った QR コードを読む方式と、位置情報でスポットの近くにいることを確かめる方式の 2 つです。屋内や店先は QR、貼る場所がない屋外は位置情報が向きます。Lスタンプでは、どちらを使うかをスポットごとに決め、両方を選べる設定もできます。
比べる点 | QR コード | 位置情報(GPS) |
|---|---|---|
向く場所 | 店先・受付・駅の構内・館内 | 公園・展望台・史跡など屋外 |
参加者がすること | 札の QR をスマホのカメラで読む | スポットの近くで「ここでスタンプ」を押す |
主催者が用意するもの | 印刷した QR と、貼る場所 | 判定する半径。Lスタンプは 20〜500m |
弱点 | 写真が出回ると来ていない人も押せる | 屋内や地下で位置がずれる。位置情報を許可しない人は押せない |
不正への備え | QR を出し直すと古い QR はすぐ無効になる | 距離・精度・移動の速さをサーバーで確かめ、疑わしい取得を要確認にする |
図 3 QR コードと位置情報の押し方の比較
QR コードの弱点は、写真が出回ると来ていない人も押せることです。出し直せるサービスを選び、誰が出し直すかを決めておきます。Lスタンプでは、出し直すと古い QR はすぐ使えなくなります。
位置情報の弱点は、駅の構内や館内で位置がずれることと、偽装の心配があることです。屋内のスポットは QR にし、屋外は位置情報にすると、両方の弱点を避けられます。Lスタンプは距離・精度・移動の速さをサーバーで確かめ、疑わしい取得を「要確認」として主催者に知らせ、取得そのものは止めません。
屋内外・電波・設置の手間からの使い分けは、QR コードと GPS の使い分け で詳しく比べています。押し方が決まったら、次は参加者がどの入口から入るかを決めます。
LINE で開く方式と、ブラウザ・専用アプリの方式
デジタルスタンプラリーの参加の入口は、ブラウザで開く、専用アプリを入れる、LINE で開くの 3 つに分かれます。LINE で開く方式では、参加者は QR を LINE で読むだけで登録なしに始められ、終わったあとの連絡は主催者の LINE 公式アカウントから届きます。参加には LINE のアカウントが要ります。
比べる点 | ブラウザで開く方式 | 専用アプリの方式 | LINE で開く方式 |
|---|---|---|---|
参加の入口 | URL や QR を開くだけ | アプリの導入と登録が要る | QR を LINE で読むだけ。登録なし |
終わったあとの連絡 | メール登録などを別に用意する | アプリのプッシュ通知。アプリを残している人だけ | 主催者の LINE 公式アカウントから届く |
参加者の記録のつながり | 端末が替わると切れやすい | アプリのアカウントにつながる | LINE のアカウントにつながる |
参加に要るもの | ブラウザ | 対応する OS とアプリ | LINE のアカウント |
図 4 参加の入口による 3 つの方式の違い
表は方式ごとの一般的な違いで、同じ方式でもサービスによってできることは違います。Lスタンプは LINE ミニアプリとして動き、参加者はポスターの QR を読むと LINE の中でイベントのページが開き、そのまま参加します。初めてのときだけ、主催者の LINE とつなぐことを許可する画面を通ります。
主催者側では、参加の記録が参加者の LINE のアカウントにつながります。抽選の結果や受け取り期限のお知らせは主催者の LINE 公式アカウントから届き、友だち追加を参加の条件にするかはイベントごとに選べます。参加者の画面の流れは 遊び方 に、入口を LINE にする理由は LINE でスタンプラリーを開く理由 にまとめています。
主催者と参加者のメリット
デジタルスタンプラリーの主催者は、集計の仕事がなくなり、参加の記録を次の企画に使え、特典をその場で渡せ、告知の素材も管理画面から出せます。参加者は、アプリを入れずにスマホ 1台で始められ、台紙をなくす心配がありません。どちらのメリットも、記録がスマホと管理画面に残ることから生まれます。
- 参加者がスタンプを押す
- 管理画面に記録が残る
- 参加者数・コンプリート率
- スポットごとの取得率・時間帯
- よく回られたルート・流入元
- 報告書と次の企画
図 5 参加の記録が報告書と次の企画に戻る流れ
主催者側のメリットを挙げます。
- 集計がいりません。参加者数・スタンプの取得数・コンプリート数と、その率が管理画面に出ます。
- 誰がどう回ったかが残ります。スポットごとの取得率、時間帯と曜日、よく回られたルート、どの QR から来たかを次の企画に使えます。
- 特典をその場で渡せます。抽選やクーポンは画面の中で出し、店舗スタッフは参加者が見せたクーポンを読み取って使用済みにします。同じクーポンは二度使えません。
- 告知の素材が管理画面から出ます。ポスター、参加の QR、スポットの QR、SNS 用の画像、イベントの紹介ページがそろいます。
- 終わったあとも連絡できます。LINE で開く方式なら、次のイベントの案内を主催者の公式アカウントから送れます。
Lスタンプでは、時間帯や順路などの詳しい分析と参加者の CSV は有料プランの機能で、参加者数とコンプリート率はどのプランでも見られます。
参加者側のメリットは、企画を通すときの説明にも使えます。
- アプリを入れず、会員登録もせずに始められます。LINE で開く方式の場合です。
- 台紙をなくしません。集めたスタンプと、あといくつでそろうかを画面で見られます。
- めぐる順番は自由で、スポットの位置を地図で確かめ、道順を地図アプリで開けます。
- 電波が弱い場所で押したスタンプは端末に残り、電波が戻ったら送られます。
メリットの裏には、紙にはなかった弱点もあります。
弱いところと、企画の段階で決めること
デジタルスタンプラリーの弱いところは、スマホを持たない人が参加できないこと、屋内で位置情報がずれること、QR の写真が出回ると来ていない人も押せること、お知らせに公式アカウントの通数がかかることです。どれも企画の段階で対策を決めれば小さくできるので、企画書に対策まで書いておきます。
弱いところ | 起きること | 企画の段階で決めること |
|---|---|---|
スマホがないと参加できない | 年配の方や子どもが入口で止まる | 告知にスマホが要ることを書く。必要なら紙の台紙を並行する |
屋内で位置情報がずれる | 駅の構内や館内で押せない問い合わせが来る | 屋内のスポットは QR にする。QR と位置情報の両方を選べるようにする |
QR の写真が出回る | 来ていない人がスタンプを押す | QR を出し直せるサービスを選び、出し直しの担当を決める |
位置情報を使いたくない人がいる | 許可しない人がスタンプを押せない | その人のために QR でも押せるようにする |
お知らせに通数がかかる | LINE 公式アカウントの通数を使う | 送るお知らせの種類をしぼる。送る前に通数の見込みを確かめる |
図 6 デジタルスタンプラリーの弱いところと対策
もう 1 つ、紙にはなかった仕事があります。参加者から「押せない」と問い合わせが来たときに、誰が答えるかです。Lスタンプの参加者の画面は、範囲の外・QR が違う・取得済み・期間の外のときに理由と次にすることを出しますが、それでも残る問い合わせの窓口は主催者が決めて載せます。
弱点を対策で埋められるかどうかは、イベントの種類で変わります。
向くイベントと、向かないイベント
デジタルスタンプラリーが向くのは、回ってほしい場所が複数あり、終わったあとに数字で振り返りたいイベントです。商店街の店めぐり、観光地の周遊、自治体の周遊事業、企業の取扱店めぐり、学園祭やお祭りが当てはまります。スポットが 1か所しかない企画や、参加者がスマホを使わない前提の企画には向きません。
主催者 | ねらい | スポットの例 | 残したい数字 |
|---|---|---|---|
商店街・商工会 | いつもの 1軒で帰る人に 2軒目・3軒目をのぞいてもらう | 加盟店のレジ横 | クーポンが使われた店と回数 |
観光地・観光協会 | 施設や駅をつないで周遊してもらう | 施設の受付、駅、展望台 | どの順で回られたか、時間帯 |
自治体 | 地域の見どころを回ってもらい、事業の報告に使う | 史跡、道の駅、公共施設 | 来訪の数と時間帯 |
企業・ブランド | 取扱店に来てもらい、キャンペーンのあともつながる | 取扱店の棚、体験ブース | 新しく友だちになった人の割合 |
学園祭・地域のお祭り | 会場の中をめぐってもらい、各ブースに人を流す | 各ブースの入口 | ブースごとの取得数 |
図 7 主催者の種類ごとのねらいとスポットの例
Lスタンプの公開ページには、奈良県明日香村の「明日香ストロベリーフェア 2025」と、日本工学院専門学校・東京工科大学の「かまた祭 2025」が載っています。前者はいちごのお店を、後者は学園祭の会場をめぐる企画で、参加者数などの数値は公開されていません。どんなイベントで使われたかは 導入事例 で見られます。
企画の手順そのものは、デジタルスタンプラリーの作り方 で 7 ステップに分けて書いています。
まとめ
デジタルにして変わるのは、めぐる楽しさではなく、記録の残り方と集計の仕事です。参加者がスマホを持っているか、屋内と屋外のどちらで押すかを先に決めると、企画書の残りは埋まります。
デジタルスタンプラリーの参加者は、アプリを入れる必要がありますか?
方式によります。専用アプリの方式ではインストールと登録が要り、LINE で開く方式の Lスタンプでは LINE で QR を読むだけで、アプリのインストールも会員登録もいりません。参加には LINE のアカウントが要ります。
スマホを持っていない人がいる場合はどうすればいいですか?
デジタルだけでは参加できません。参加者に年配の方や子どもが多いと分かっているなら、紙の台紙を並行して配るか、告知の段階でスマホが要ることをはっきり書きます。どちらにするかは、参加者の顔ぶれから決めます。
参加者のデータは主催者にどこまで見えますか?
サービスによって違います。Lスタンプでは、参加者数・スポットごとの取得・時間帯と曜日・よく回られたルートを管理画面で見られます。参加者の個人データはイベント終了から 1年で削除か匿名化し、参加者の CSV に住所と電話番号は入りません。
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